明延が明るく在るための「Fun Fund Fes.」開催
2024年12月15日(日)、あけのべプロジェクトを始動し初となるイベント「Fun Fund Fes.」を開催しました。場所は、兵庫県養父市大屋町明延区にある「(旧)小林たばこ屋さん」。現在、「小林たばこ総合会館(仮)」として、地域の人同士と外の人がつながる子拠点のオープンに向け、絶賛DIY中です。当日は、なんと200人を超える方に足を運んでいただきました。今回は、イベントの様子をお届けします。
※完成に向け、絶賛クラウドファンディング実施中。プロジェクトの詳細は、こちらからご覧ください。
未来の記憶を紡ぐ一歩となった1日
明延は、かつて鉱山の町として栄え、現在は49人の人たちが住む小さな集落。人口が最盛期の100分の1になった今も、この集落の人たちは豊かに暮らし続けています。そんな明延の明るい未来をつくるべく、「明るい一揆」の一つとして動き出したのがこのあけのべプロジェクトです。2024年11月27日からは、クラウドファンディングもスタートしました。
今回のイベントは、多くの支援が寄せられる中、応援してくださるみなさんに直接想いを伝えたいと企画したものです。イベント前日は、雪や雨がちらつく天気で、作業が思うように進まず…実は、オープン時間ギリギリまで作業が続いていました。
そうして、あっという間に13時を迎えようとした頃、オープン前にも関わらず、「もう入っていいのかな?」と、早くも来場者の方の姿が。
この近くに住む方も遊びに来てくださり、「毎日綺麗になっていく様子を見てたのよ〜」と声をかけてくださったり、ある方は「朽ちていくとばかり思っていた場所が、こうして風通しのいい場所になって嬉しいばかりだ」と話してくれ、嬉しそうな表情にこちらも笑顔が溢れます。
当日は、Fund marcheとして、養父市で人気の飲食店を営むTANIGAKIさんのコーヒー&スイーツや、京都府丹後市の山香社さんに特別に作っていただいた明延ブレンドのドリップコーヒーパックの販売も。
それから、宮崎県三股町のキママプロダクツより、廃材をリメイクして作られたアウトドアグッズの販売、そして、明延が今も鉱山の町として栄えていたら…そんな空想から生まれた「空想土産屋」として初となるオリジナルグッズの販売が行われました。このマルシェは、売り上げの一部が本プロジェクトのファンドになるという仕組みです。
TANIGAKIさんのスイーツは、開始1時間もしないうちに完売してしまったほど大人気でした。オリジナルグッズは、ステッカーや缶バッジだけでなく、この時期にぴったりのトレーナーから帽子など、アパレル系のアイテムまでよりどりみどりです。
道路に面した当時たばこ販売のスペースになっていた場所は、DJブース兼ステッカー販売所へ。今後、この場所はテレビ病院になるので、DJをこのブースで見られたのは、歴史的瞬間だったかもしれません。
さらに、結構人気だったのが「ドラゴンの名付け親になろう」ブースです。子どもからお年寄りまで幅広い世代から25個もの案が寄せられ、現在絶賛選考中。決定をぜひお楽しみに。
あけのべでこれから起こること
いよいよ、今回のメインであるトークセッションの時間です。今回は、プロジェクトメンバーである、明延区長の小林さん、養父市社会福祉協議会の加来さん、コミュニティデザインラボから松崎さん・吉田さん、但馬を結んで育つ会代表の千葉が登壇しました。
松崎さんは冒頭、「明延の課題は、この町だけではなく日本の未来の課題でもあると思っている。ここでの実践が、同じような課題を抱える全国の町を救うことにつながるのではないか」と語り、本プロジェクトが始動したきかっけや目指す未来について説明。
現在、準備を進めている「空想土産屋」「明延購買部」「テレビ病院」の3つについて、具体的な構想をディスカッションする中、医師である千葉は今の心境を次のように語ります。
千葉「私たち、但馬を結んで育つ会というのは、但馬の人たちがずっとこの地域で暮らしていけるようにということを目的に、医療福祉分野の仲間と始めたもの。今は企業も仲間になってくれていますが、明延の課題は明延だけのことではないと感じていて。だからこそ、この場所が但馬のシンボル的な存在になれないだろうかという希望も持っています。私の父親が大屋町出身というご縁もあるので、この場所が昔と全く同じではなくても、活気が戻ってみんながずっと暮らしていける地域になったら嬉しい。10月にこの家の荷物を出すイベントをやったのですが、たくさんのボランティアの方が来てくださいました。こちらが手伝ってもらったのに『楽しかった、ありがとう』って帰っていかれたんですよね。こんなふうに、みんなが楽しみながら、地域がよりよくなることを願ってくれている。そして、今日こんなにもたくさんの人に来ていただいていることに、もう涙が出そうです。これからもなんとか頑張っていきたい」と熱い想いを語りました。
また、千葉によると、ここに住んでいたご子息の方も「この場所が完成したらぜひ来たい」と言ってくれているのだとか。
コミュニティデザインラボの吉田さんも話していましたが、この龍の立体看板がきっかけで、何十年もの時を超え、こうして人々がつながっていることは奇跡と言っても過言ではありません。この家を守り続けてきた小林家の方々の想いや明延の方々の暮らしを大切にし、楽しく笑顔あふれる場所にしていきたいと改めて感じます。
来場者からは、いくつか質問やアイディアが飛び出し、「農業をやっているから、販売してはどうか?」という声や「ダンスをやっているので、このスペースでワークショップをしてみたら楽しそう!」「地域をもっと元気にしていきたくて、この場所はきっともっと素敵な場所になるから関わりたい」という学生さんの声も。
気づけば、トークセッションの後半は、この場所を面白いと思ってくれる人同士がつながるスカウト場のようになっていました。でも、もしかしたら人と人、人と地域のつながりというものは、こんなふうに面白がっているうちに生まれていくものなのかもしれません。
明延区長の小林さんは、「正直、ハラハラドキドキして眠れない日々が続いていたのですが、こうしてたくさんのみなさんの意見をいただいて、明延の未来は大丈夫だな、なんて勝手に感じています。日本中のみなさんの協力があって、夢が叶おうとしている。ここからまた一歩、二歩と歩んでいくことが、感謝の証になっていくと思っています」と最後に語ってくれました。
たくさんの人で溢れる小林たばこ屋さんをふと見渡すと、自然と若い人たちやこの集落に住む人たちの交流が生まれていたり、
すれ違いざまに「ねぇ、なんか居場所ができてるよ…」と呟く声が聞こえてきたり。この日は、たった3時間だけのイベントでしたが、これから先この拠点が誰かにとって居心地のよい場所になっていく、そんな未来もそう遠くないのかもしれない。守り神のようなドラゴンに見守られながら、そんなことを感じた1日でした。
正式なオープンは、2025年3月を予定しています。まだまだやることは山積みですが、しっかり形になるようこれからも地域の人、そして地域外のみなさんと力を合わせて参ります!ぜひ完成をお楽しみに!
<クラウドファンディング実施中>
このプロジェクトを推進していくため、現在クラウドファンディング実施中です。もし共感してくださったり、応援したいなと思ってくださったら、ぜひご支援をよろしくお願いいたします!
掲載終了:2025年1月31日(金)
プロジェクトを支援する>>https://for-good.net/project/1001257